殺戮都市~バベル~

確かにあの時、俺は理沙にどうしたいか答えを求めた。


それは、俺には人を守れるほどの力はなくて、一緒にいても理沙を危険な目に遭わせるだけだと思ったから。


だから……人を守れる力がほしいと、強さを求めたのに。


あの時、俺が弱かったから、今、こんな状態になっているのか?


「頼む……俺を信じてくれ!今なら守れる。理沙を守ってやれるんだ!」


俺の言葉で、理沙が戸惑っているような表情に変わる。


涙を流しながら、どうすべきか考えてくれているのだろうか。


だけど……。







「そんなぬるい言葉で、身体に染み付いた恐怖が消えると思ってるのかい?」






ボソッと香月が呟いて、ゆっくりと後退し始めた。


理沙にこの場を任せて、自分は高みの見物をしようって事か!?


「お嬢ちゃん。坊やを殺せなかったら……いつもの倍、お仕置きをするように言っておくからね」


その言葉が聞こえた瞬間、理沙の身体がさらにガタガタと震え始めた。


顔は恐怖で歪み、涙が止まらず流れ落ちる。


「い、いや……もう嫌だ!お願い、真治!!死んで、死んでよ!」


迷っていた理沙の心が……完全に恐怖で塗り潰されてしまった。