殺戮都市~バベル~

目を閉じていても、男が光の粒へと変わったとわかる明るさ。


ゆっくりと目を開けると、そこにはもう男の姿はなくて、残ったのは血溜まりだけ。


「真治君、頑張ったわね。この街で生きる為には、人を殺せないなら、死ぬしかないもの」


駆け寄って来た奈央さんが、俺の肩をポンッと叩いて話し掛けた。


「何が頑張ったですか!人を殺すのが良い事だとでも……」


そこまで言って、既に二人を殺し、二人の腕を斬り落とした俺が、何を言っても現実から目をそらそうとしているだけだという事に気付いて、何も言えなくなった。


「誰もが通る道よ。中にはそんな葛藤もなくて、いきなり順応する人もいるけど、私はそんな人を信じない」


俺の行動を正当化しようとしてくれているのか、優しい言葉を掛けてくれる。


でも、けしかけたのは奈央さんなんだけどな。


最初に人を殺した時のような震えは……ない。


早くも慣れてしまったわけじゃないだろうけど、嫌な気持ちは全然変わらない。


「じゃあ、早くここを離れましょ。大通りにいたら、大きな戦闘に巻き込まれるかもしれないから」


今の俺達では、そんな戦闘には耐えられないって事か。


それだったら、早く離れた方が良いなと思っていたら……。