「でも、香月がいるって事は、俺が戻って来るって思ってるから、津堂がここにいさせてるんじゃないですかね?だったら、恵梨香さんはまだ生きてるって事に……」


「どうだろうね?香月からしてみたら、津堂と仲が悪いわけじゃないし、デパートは光の壁から近い位置にあるわけでしょ?ただ、都合が良い場所だからいるだけかもしれないし、あまり期待しない方が良いかも」


せめて恵梨香さんが生きていると期待しなきゃ、俺は何の為に戦おうとしているんだ。


10日間……恵梨香さんがまだ生きている可能性に賭けるしかない。


「それで、正面口には罠はないけど、香月が張ってる。立体駐車場の入り口には、罠が仕掛けられてるね。まあ、真治君なら大丈夫だと思うけど、戦闘は一階になると考えたら、ここから入るメリットはないかな」


妙な動きをすれば津堂に気付かれる。


商品の搬入口や、津堂がいるかもしれない所は調べられなかったんだろうな。


結局、正面から行くしかないって事かな。


狭い通路で戦う事になったら、日本刀やランスよりも、津堂の短刀の方が有利だろうから。


そんな事を考えていると……。








コンコン。







ドアをノックする音が聞こえた。