「デパートの中はどうだったんですか?恵梨香さんは……いましたか?」


俺が尋ねると、二人は優が座っているソファに腰を下ろした。


「結論から言うと、見える場所には死神はいなかった。どこかの部屋に監禁されてるのか、それとももう殺されたのかはわからないね」


「そ、そうですか」


せめて、生きているのか死んでいるのかがわかればと思ったけど、それすらもわからないか。


「一時間前に戦闘が終わったでしょ?その後の人員の配置なんだけど……」


「え?一時間前に戦闘が終わったんですか?始まったのも気付かなかった」


アナウンスに気付かないほど眠っていたなんて、疲れてたんだな、俺。


「どれだけ寝てたのよ。まあ良いわ。でね、津堂の姿もなくてさ、雑魚が何人かいるくらいだったけど、その代わりに一人、厄介なやつがいてね」


雑魚が何人か、だけど厄介なやつがいる……。


それを聞くと、俺の頭には一人しか思い浮かばない。


「香月えりですか?」


俺が尋ねると、真冬と美優は頷いた。


出来ることならいてくれるなと思ったけど、どうやらその期待は裏切られたみたいだ。


津堂と香月、二人に勝たないと、恵梨香さんは助けられないか。