殺戮都市~バベル~

そうしてしばらく隠れていると……大通りを、足を引きずって東軍の方に歩いて行く人が、俺達がいる通りを横切ったのだ。


「!!真治君、行くよ!」


「え!?あ、はい!」


やっぱり行くのかと思いながらも、看板から飛び出した奈央さんの後を追って、俺も走り出す。


でも、どうしてだろう。


俺はダメージがなくなって、普通に動けるようになっているのに、あの人は違うのかな。


受けたダメージが癒えずに、東軍に戻ろうとしている?


「東軍に戻らせたら、しばらくしたらまた傷が治って襲って来るから、どうせ回復するなら、殺してソウルを奪うよ!」


つまり、敵の陣地にいたら回復しないけど、自分の陣地にいたら回復するって事か。


じゃあ、こうして自軍で戦っている方が有利ってわけだ。


細い通りから抜け出して、大通り。


飛び出した俺と奈央さんは、光の壁へと向かおうとする男を捉えた。


「逃がさないよ!」


素早く、手に持っていた斧を振り上げ、男に目掛けて投げ付けた奈央さん。


回転しながら放物線を描き、引き寄せられるように男に迫る。


「あぐっ!?」


斧が直撃し、地面に倒れた男。


だけど、まだ死んではいない。