殺戮都市~バベル~

心配そうに尋ねる奈央さんに、俺は西軍を出てからの事を話した。


街の中央部にナイトが現れた事、東軍で瀕死の重傷を負った事、亜美と優と出会って、一緒に行動した事、そして……。


恵梨香さんが捕えられて、助けられずに殺された事を。


「そ、そう……恵梨香さんや真治君でもダメなら、手を出すべきじゃないのかもね……その津堂って人には」


「でも、助けないと……津堂は恵梨香さんをずっと捕えておくつもりなんですよ。生かさず殺さず。何がなんでも助け出さないと!」


そう言ったものの……その方法が思い浮かぶかと言われたら困るんだけど。


今の俺では、明らかに力不足。


もう一度行ったところで、また死ぬのは目に見えていた。


「……強くなったね、真治君。この街に来たばかりの時は、震えてるだけだったのに。もう、立派な戦士だね」


フフッと微笑んで、ベッドに置いた俺の手を撫でる奈央さん。


まあ、この街に来た時からすれば強くはなったと思うよ。


でも、強くなればなるほど、さらに強いやつが現れて……まだまだ頂上は見えないんだよな。


それに……俺は、戦士なんて良いものじゃないよ。