殺戮都市~バベル~

早く早くと、エレベーターの中でイライラしていた俺は、6階に到着して扉が開くと同時に廊下に飛び出した。


部屋まで走り、黒井によってこじ開けられたドアを押して中に入る。


「奈央さん!」


「こっちだ真治君」


黒井の声が聞こえた方に行くと、少し痩せた奈央さんが、ベッドに横になっていた。


その傍らには黒井。


「話を聞いたら、一週間ほど何も食べてないらしい。ここに閉じ込めて、食事をさせない。だけど自軍にいるからそう簡単には死ねない。なかなかに酷い事をするもんだ」


一週間も……こんな所に閉じ込められていたのか。


俺を殺す為だけに奈央さんを捕らえて、囮にしたってのかよ。


「奈央さん、どうして南軍に戻ってるんですか?何か用事があって戻って来たんですか?」


ベッドに腰掛け、優しく尋ねてみる。


だけど、奈央さんは首を横に振った。


「真治君達が出て行って……三日くらい経った時かな……総力戦が始まった時に、凄く強い人に見つかっちゃって……殺されたんだ」


そうか……死んでしまったから南軍に。


ホームポイントを変えずにいたから、南軍に戻って来てしまったのか。


そうして、明美さんに捕まってしまったわけだ。