殺戮都市~バベル~

下の階も、その下の階も奈央さんはいなくて、イライラが募り始める。


黒井からの連絡がなく、向こうもまだ見付けてはいないようだけど……まさか、襲ってたりしないよな?


手伝ってくれている人を疑うなんて、俺はクズかよ。


探しても探しても、奈央さんに辿り着かないというのが、俺に妙な事を考えさせているんだ。


さらに下の階の例の部屋の前までやって来た。


ここにもいないかな……と、諦め半分でドアに近付いた時。










『真治君、見付けたぞ。6階だ、今すぐ来てくれ』











PBMから黒井の声が聞こえた。


やっぱり下の方にいたか!


明美さんが通信を送ってから、外に出て来るまでの時間を考えたら、そんなに上の階ではないと思ったけど。


「今すぐ行きます!」


PBMに向かってそう叫び、俺はエレベーターへと走り出した。


奈央さんに会ったら、聞きたい事は一つ。


どうして南軍に戻ったのか。


ここにいても、今回のように明美さんに利用されるだけだから、雪子さん達と一緒にいた方が良かったのに。


理由次第では、奈央さんを連れて行く事も考えていた。