殺戮都市~バベル~

閉じ込められているビルを見上げてその高さに軽く絶望を覚える。


「この何階にいるんだよ……探すだけでも相当骨が折れるぞ。明美さんは逃げちゃったしさ……」


明美さんをなんとしてでも捕まえてておけば良かったよ。


PBMで奈央さんの反応を確認して、ビルに入ろうとした時だった。


「手伝おうか?一人で探すより、二人で探した方が早く見つかるだろ?場所はどこなんだ?」


予想外の申し出。


まさか黒井が手伝ってくれるとは思わなかったから、その言葉はありがたい。


「す、すみません……じゃあ、このビルのここのポイントに……」


PBMを見せて、位置を教える。


「わかった。あ、そうだ。フレンド登録しておこうよ。通信も出来るし、どちらかが見付けたら連絡するって事でさ」


「あ、はい。じゃあ申請送ります」


さっきまで殺し合いをしていた人と、友達になるなんて。


まあ、これがこの街の奇妙な所だよな。


「見付けるのは『小倉奈央』さんです。俺は……じゃあ、一番上から下に向かって調べて行きますね」


「俺は下からね。真治君気を付けなよ?ビルの上層には、強いやつがいたりするからね。まあ、同じ軍の人間だし、変な事にはならないと思うけど」


……同じ軍の人間に、俺は結構嫌われてるんだよな。


トラブルを起こさないようにと、俺はビルの中に入った。