殺戮都市~バベル~

……沼沢と戦ったと、この人に話したか?


いや、話してないはずだ。


それなのにその名前を出したという事は……本当に俺の中に沼沢を感じたのか。


「確かに沼沢と戦いました。でも、戦ったからって動きを真似出来るってわけじゃないと思うんですけど」


「でも、津堂の動きを真似しただろ?恐らくその武器の特性の一つじゃないかな?真治君が日本刀の力を引き出しつつあるんだ」


それはつまり……強いやつと戦えば戦うほど、俺も強くなるって事か?


……命がいくつあっても足りそうにないな、それは。


強いやつと戦って、初見で勝てた試しなんてない。


ハンデをくれた黒井は別として、沼沢にも、津堂にも殺された。


「強いやつと戦い続ければ……もっともっと強くなる」


それでも、強くなれれば、守りたい人を守れるようになる。


池田みたいな許せないやつが出て来ても、仲間を守り切る事が出来るかもしれないんだ。


「まあ、そう言う事だね。ところで、仲間を助けなくて良いのかい?その為にあいつと戦ったんじゃないの?」


そう言って、黒井は地面に落ちている肉塊を指差した。


「そ、そうだ!奈央さん!」


黒井との話に集中しすぎてしまったよ。