殺戮都市~バベル~

刃が黒井の肩に触れる。


瞬間、ランスで地面を突き、身体を強引に後退させたのだ。


空を切る日本刀。


何だ?こんな状況で黒井は油断したのか?


「……危ない。真治君……一体何をしたんだ」


どうやら、油断をしたわけじゃなさそうだ。


だとしたら……俺は一体何をしたんだ?


全然わからない。


いつもと同じように、武器を構えて詰め寄っただけなのに。


「俺の意識の隙を突いたか?いや、そうじゃないな。何にしても……今のは面白かった。もう一度やってくれよ!」


いや、もう一度って言われてもな。


俺だって何をしたかわからないのに。


黒井はもう、自分から攻撃を仕掛けずに、俺の攻撃を待っている。


まあ、攻撃を仕掛けて来ないって言うなら、俺に危険はないな。


運が良ければ……どうやったかはわからないけど、さっきと同じ事が出来れば。


治り始めている右腕。


さっきよりも力が入る。


これはチャンスだ。


俺には何のデメリットもない、一方的に攻撃出来るチャンス。


黒井を睨み付けて、意識を攻撃だけに集中させる。


この一撃で仕留められなければ……反撃を食らう可能性だってあるかもしれないな。