殺戮都市~バベル~

迫る人達。


こいつらが武器を振り下ろす前に、俺はグルリと円を描くようにして駆けた。


日本刀を振り、小さく一周する頃には、一番内側にいた人達が地面に倒れ、それに続いた人達は約半数が死体に足を取られて転倒する。


それでも死体を乗り越えて来た人達を、俺は迎え撃つ。


振り下ろされた武器を鞘で弾き、日本刀の一撃で斬り捨てた。


「次っ!」


一人、また一人と殺す度に、神経が研ぎ澄ませれて行くようで……罪悪感も殺意もなく、ただ俺に襲い掛かる敵を斬るだけの機械。


本当にそうなってしまうのではないかと、錯覚しそうになった時だった。











俺の……前には、もう誰もいなくなっていたのだ。





いや、正確には誰もいないわけじゃない。


俺に襲い掛かろうとするやつは、誰もいなくなったのだ。


「……こ、こいつ鬼かよ。一体何十人死んだんだ?」


「い、池田さんより強いかもしれねぇ……勝てるわけがねぇだろ!」


と、俺を取り囲む人達が、口々に声を上げ始めた。


……俺が悪いのかよ。


襲って来たのはお前らだろうが。


殺したくもない人を殺して、文句を言われる俺の身にもなれってんだ。