殺戮都市~バベル~

混乱して、この見慣れない風景を見る事しか出来ない俺とチンピラ。


少しして、女性とバーコードも目を覚まして、俺と同じ反応を見せた。


「ど、どこだここは……わしは会議の最中だったはずだが……」


このハゲ、会議の最中にスマホを弄ってたのかよ。


真面目に仕事しろよ。


「え?え?何で?ねえ、今から彼氏の両親に挨拶に行くんだけど……ここどこ?」


夢を見ているんだと思いたいけど、このしっかりした感覚は夢じゃない。


ここがどこかなんて、俺にわかるはずがない。


「ごちゃごちゃうるせえぞ!んなもん知るか!」


自分の事は棚に上げて、チンピラがハゲと女性に怒鳴り付ける。


それにしても……この街は何なんだろう。


高層ビルが建ち並んで、電気も付いているのに車が一台も走っていないし、人の姿も見えない。


まるで、都市から突然、人だけいなくなったような……そんな不気味な感じだ。


「ここは……日本みたいだね。ほら、スカイツリーが見える」


わけのわからない状況の中でも、日本だと判断して安心したのか、笑顔を見せて俺達の背後を指差すバーコード。


だけど、それを見て、チンピラは溜め息を吐いた。


「お前、スカイツリーを見た事あるのかよ……てっぺんが見えねえあれが、スカイツリーのわけがねえだろ」


振り返って見た先には……見上げても頂上が霞んで見えない、巨大な塔があった。