殺戮都市~バベル~

「……まずい、見付かったか!?」


PBMの画面を見て、険しい表情を見せた新崎さん。


見付かったって……ビルの前には誰もいないけど。


「い、いえ、まだ見付かってませんよ?」


俺がそう呟くと、新崎さんは首を横に振って答えた。


「違う。奈央と明美さんが見付かったみたいだ。二人には悪いが、今のうちにここから離れるぞ」


そう言い、ビルの奥へと歩いて行こうとする新崎さんを見て、俺は思わず尋ねた。


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ……二人を見捨てるんですか?奈央さんと明美さんが見付かったから、逃げようがないじゃないですか!」


俺の言葉で新崎さんは足を止めたけど、振り返らずに俯いて呟く。


「大丈夫、二人はまだソウルが残っているから、復活出来るよ。助けに行けば、俺達も殺される。全員死ぬ必要なんてないんだ」


理屈は……わかるけど。


だからって、見捨てて逃げるのか。


新崎さんと俺がダブって見える。


俺も、他の人から見たら、こんな風に見えるのかな。


だとしたら、なんてカッコ悪いんだよ。


弱ければ、仲間を助ける事も出来ない。


弱者は強者に殺される。


それがこの街だって言うのなら……。