「ああああああああああああああああああああっ!!うわあああああああああああっ!!」


あまりの激痛に、悲鳴を上げる事しか出来ない!


やっと短刀が肩から離れたと思ったら……今度はその傷口を蹴り上げたのだ。


「どうだ?これでもう、二度と塔に行こうだなんて思わないだろう?あの女の口車に乗せられただろうが、二度と塔を目指せないようにここに監禁しておくから、お前は安心して死ね。大人しく自軍で、生きる為だけに人を殺していれば良い」


「ふ、ふざけるな……俺は絶対に塔に行くんだ!恵梨香さんを助けて……塔に行って、元の世界に戻るんだ!」


こんな所で諦めてたまるか!


たとえ今は無理でも、もっと強くなって行けば良いだけじゃないか!


この男は、今、弱いやつには塔に向かう資格がないと言いたいのかよ!


フラフラしながら立ち上がって、津堂を睨み付ける。


左肩から噴き出す血が尋常な量じゃない。


このままでは確実に殺されてしまうと感じて、俺は磔にされている恵梨香さんを見上げた。


「恵梨香さん!!絶対に助けに来ますから!!それまで待っててください!!」


デパートに入って数分。


圧倒的な津堂の力の前に、なすすべもなくなった俺が出来る事は……これしかなかった。