『あー、あー。やっと来たな高山真治。だが、お前はバカなのか?罠があるかもしれない場所に、真正面からやって来るとは。せっかく裏口に仕掛けた罠が、無駄になっただろう』
……そんな事知るかよ。
罠が仕掛けられているなら、堂々と正面から来て正解だったわけだ。
「おい!恵梨香さんはどこだ!言われた通り来たんだから、恵梨香さんを返せ!」
『まあ、正面からやって来るほどの力がないのなら、俺が相手をするまでもない。罠に掛かって死ぬだけだがな』
全然話が噛み合ってないな。
もしかして俺の声は聞こえないのか?
だとしたら、一人で喋っていた俺は、なんかマヌケだよな。
『それはさておき。ナイトに瀕死の重傷を負わされるやつが、バベルの塔に向かうなどとは片腹痛い。その覚悟が本物か、試させてもらうぞ』
そう言って、おそらく津堂だと思われる人物は館内放送を終了した。
こいつの目的が何なのかさっぱりわからない。
どんな理由があって恵梨香さんを捕らえて、どんな理由があって俺をここに呼んだのか。
考えても仕方がないか。
とにかく今、俺がやる事は、恵梨香さんを探して助け出す事だ。



