殺戮都市~バベル~

「ほら、亜美。そんな顔しないで。このお姉ちゃんと一緒にここにいるんだぞ?俺が帰って来るまでな」


俺は子供が苦手だ。


だけど、亜美を怖がらせないように、不安にさせないようにと声を掛けていたら、それなりに扱いも慣れた。


「うん……でも、絶対に帰って来てね。死なないでね。お姉ちゃんみたいに……」


今にも泣き出しそうな顔を俺に向けて、必死に耐えているのがわかった。


……理解、していたんだな。


弓長にお姉ちゃんの死を告げられて、必死に否定していたけど。


お姉ちゃんが死んだとわかっていたから、俺に連れられてあの医院を出たんだ。


どんな気持ちで俺と一緒にいたのか……それを考えると胸が痛くなった。


「わかった。絶対に帰って来るから、それまで泣くんじゃないぞ?約束だからな」


ポンポンと亜美の頭を撫でると、小さく「うん」と頷いた。


よし、これで思う存分戦える。


俺が勝てる相手だとは思えないけど、目的は恵梨香さんを助ける事だ。


勝てなくても良い。


死なずに、なんとか恵梨香さんを奪還する。


「じゃあ……行ってきます」


またここに戻って来れるように、俺はそう言って部屋を出た。