「少年!こっちこっち!」
辺りを見回しながら歩いていると、小さな三階建てのビル、二階の窓から優が顔を出して手を振っていた。
路地に面したビルか……人通りも少ないし、悪くはないかもしれないな。
誰にも見られていない事を確認してビルに入った俺は、優が顔を出していた部屋に向かった。
階段を上がり、部屋に入ると意外にも綺麗な内装。
生活感が全くないから、誰もこの部屋を使っていないのだという事がわかる。
「お兄ちゃん、あの大きなお化けはいなくなった?もう来ないよね?」
優と一緒に窓の外を見ていた亜美が、不安そうな表情を浮かべて駆け寄って来た。
「ああ、大丈夫だよ。俺がやっつけたから。二度と亜美の前には来ないよ」
俺の口からその言葉を聞いて安心したのか、不安そうな表情に笑顔が浮かんだ。
「ポーンを倒すなんてさ、少年って強いんだね。南軍で出会った時はちょっと頼りなく見えたけど……見直したよ」
「ははっ、そりゃどうも。色々あったからな」
優にそう返事をして、俺は返り血を浴びた制服を脱いだ。
流しでもあれば、これを洗えるんだけどな。
そんな事を考えて、部屋の奥へと歩いた。



