殺戮都市~バベル~

刃が……鬼頭の顔を真っ二つに斬り裂く。


力を込めた一撃は、鬼頭の頭部だけではなく、身体も容易に切断して。


地面に刃が触れて、俺は素早く後方に飛び退いた。


声を上げる事も出来ずに、地面に前のめりに倒れて、パカッと割るように崩れた鬼頭の身体。


だけど……それに一番驚いたのは俺だった。


「ハァ……ハァ……ポーンの身体を……斬れた」


強くはなっているとわかっていた。


でも、西軍に入る前は、ポーンの指くらいは斬れても、身体を切断するなんて事は出来なかったから。


東軍への移動の時にポーンの頭部を切断はしたが、それよりも強い鬼頭のポーンを斬り裂くことが出来たなんて。


レベルが上がって、日本刀の斬れ味が良くなっているのか……何にせよ、強くなっている。


それが実感出来る戦い。


対人戦ではわからなかった事が、この戦いでわかった。


「鬼頭……あんたは嫌なやつだったけど、ポーンになってまで俺の前に現れる事ないだろ……もう二度と現れないでくれ」


日本刀から手を放し、俺は優と亜美が隠れた場所を探して歩き始めた。


一人でポーンに勝てた……その充実感はあるけど、それよりも鬼頭とやっと決別出来たと思えたから。


恵梨香さんを助ける為に歩いた道は、俺の迷いを断ち切る良いきっかけとなった。