殺戮都市~バベル~

鬼頭の出方を見ながら、ジリジリと距離を詰める。


真正面から飛び込むには、相手が大き過ぎるな。


路地を半分塞いでいるその巨体のせいで、側面に回り込んで攻撃する事も困難だ。


つまり、真っ向勝負。


鬼頭は俺を見て、唸りながら腰を落とした。


お互いにゆっくりと近付き……その距離が5メートルほどになった時。


「グルルァァァァァッ!!」


巨大な鬼頭の手が、俺をなぎ払うように左側から迫った。


速い!


ナイトほどではないけれど、それでも並のポーンよりも行動に力強さを感じる!


それでも、回避出来ないほどじゃない。


トンッと地面を蹴り、後方に飛び退いて鬼頭の手を回避し、着地と同時に斬り込もうと地面を蹴った瞬間、それは目の前に迫った。


空振りした腕を振り抜き、その勢いを利用した体当たり!


毛に覆われた肩が、俺を弾こうと突進して来る!


「今更そんな攻撃でっ!!」


これは……俺が鬼頭という恐怖に打ち勝つ戦いだと、出会った時に理解した。


地面を蹴って、前に飛んだ事をやり直す事は出来ない。


だったら、この状況から脱する方法を探すしかないだろ!!


空中で素早く振るった日本刀。


それが鬼頭の肩と接触した。