殺戮都市~バベル~

まさか……こんな場所にまでポーンが来ているなんて。


西軍で、里奈さんや三葉さんを襲ったポーンもいたから、不思議な事じゃないのかもしれないけど。


「た、た、助けて……や、やだやだ!食べられたくない!!」


ポーンの右手には美沙子。


大きな手で掴まれて、身動きが取れない様子で助けを求めているけど……間に合うのか!?


男を食っている間にと、ポーンに詰め寄って、美沙子を掴んでいる右腕に斬り掛かった。


でも、ポーンは俺の接近に気付いて、後方へと飛び退いた。


そして……右手を上げて、それに力を込め始めたのだ。







「あ、あああああ……い、痛、痛い!や、やめて、私もうソウルが……ひぎっ!!」







ボキボキと音を立てて、美沙子の身体が握り潰された。


一歩……届かなかった。


ポーンは、その握り潰した美沙子を、口に運んで噛み付いたのだ。


上半身が引き千切られ、こぼれ落ちる内臓。


吐きそうな衝動を抑えながら、ポーンに向かって日本刀を構えた。


光の粒に変わった男とは違い、いつまで経っても変化しない美沙子。


もうソウルがないと、そう言いたかったのだろう。


そんな美沙子を食ったポーンが、こちらに迫って来たけど……俺は、そのポーンの顔を見て、過去に味わった恐怖を思い出した。