殺戮都市~バベル~

「人は……一人。ビルの上から見ている人はいない。よし、通り過ぎたら飛び出すか」


ブツブツと独り言を呟きながら、今、俺が置かれている状況を確認して、腰を落として構える。


光の壁に向かうであろう反対側にいる人が、俺の視線の先を通り過ぎた時、地面を蹴って道路に飛び出した。


飛び出して、路地に入るまでの時間、僅か1秒足らず。


日本刀のレベルはまだまだ低いから、レベルが高くなれば、身体能力はもっと上がるのかな。


だけど、いくら身体能力が高くなったとしても、俺の背後を取ったあの男を超えられるとはとても思えないんだよな。


ああなるには、どれだけレベルを上げれば良いのか……いや、もしかすると、持っている武器の性能と言うか……そんな物が影響しているのかもしれない。


そう、俺や吹雪さんは垂直方向へのジャンプが強化されないけど、恵梨香さんはそれが出来る。


そんな風に、武器の特性があるのだろうか。


だとすれば……俺の日本刀にも何かしらの特性があるに違いない。


それを活かす事が出来れば、勝てないにしても、まともに戦えるようになるかな。


そんな事を考えて、路地のゴミ箱の陰に身を隠した俺は、優と亜美の様子を伺った。