殺戮都市~バベル~

「ほら、さっき言っただろ?恵梨香さんが捕まったんだよ。だから、俺は助けに行かなきゃならないんだけど……その間、亜美を見ててくれないか?」


テーブル席の椅子に腰を下ろして、亜美を見ながら呟いた。


「えっと……恵梨香さんって、あの強いヘルメットの人だよね?あんな人が捕まるなんて、少年が助けるなんて無理じゃないの?」


……痛い所を突いて来るな、こいつ。


そんな事は言わなくてもわかってるよ。


俺が恵梨香さんよりも弱い事くらい、俺が誰よりわかってる。


でも、行くしかないじゃないか。


捕まってるとわかってて、助けに行かないなんて出来ない。


「勝つのは無理でも、恵梨香さんを助けないとな。無理だからって、見捨てる事は出来ないだろ」


優も亜美もそうだったよな。


結局、見捨てる事が出来なかったから、今こうしているんだ。


助けなかったら、二人ともどうなっていただろう。


「へぇ……良い顔するようになったね。南軍で助けてもらった時と全然違う。何か……大人っぽくなった気がする」


「それで、亜美を見ててくれるか?俺が戻って来るまでで良いんだけど」


優の言葉に特に反応せずに、頼み事を言った俺に、不満そうな顔を見せた。