殺戮都市~バベル~

しばらくして、優の手が緩んだ。


「少年……でも、どうしてこんな所にいるの?私達が南軍に行くのは簡単だけど、少年がこっちに来るのって、大変じゃないの?」


優から離れて、なるべく見ないように視線を逸らす。


「大変だったけど、用事があって来たんだよ。その途中で恵梨香さんが捕まってさ……助けに行かなきゃならないんだ。ほ、ほら、早く上げろよ……パンツ」


俺がそう言うと、慌てて立ち上がって屈んだ。


だけど……何か思い付いたように顔を上げて、俺を見たのだ。


「と、ところで少年……どうせなら、一回やっとく?」


「や、やらないって!」


かなり興味をそそられる申し出だけど、店には亜美がいるし、何よりそんな事をする為に助けたとか思われたくないから。


「もーう、真面目なんだから。でも、そんなだから助けてくれたんだよね」


パンツとズボンを上げて、手を洗ったら、すぐに俺の腕に抱き付いて来た。


そのまま店内に戻り、優は仲間がいない事を確認して……不思議そうに首を傾げたのだ。


「あれ……皆いなくなってる。もしかして少年……」


仲間を殺した……それを知ったら、優はどう思うかな。


だけど、言わないわけにはいかない。