殺戮都市~バベル~

しばらく歩いて、光の壁が近くに見えて来た時に……亜美が予想だにしなかった言葉を口にしたのだ。


「お兄ちゃん……おしっこ」


……こ、このタイミングで!?


だって、あの女の子が。


そこの草むらで……ってのはさすがにまずいか。


「うう……よ、よし。そこの喫茶店に行こう!トイレがあるだろ!」


どこに行っても良いんだけど、トイレの場所がわかりやすそうな所。


周囲を見回したら、そこが一番内部を想像出来たから。


考えたら、全然トイレに行ってないもんな。


そりゃあ、いつ行きたくなってもおかしくないよ。


あの女の子……優が離れて行く。


でも仕方ないか。


亜美を連れて駆け込んだ喫茶店。


中には誰もいなくて、俺にとっては都合が良い。


「えっと……あ、ほら、トイレはあっちだよ。行ってきな」


「う、うん。待っててね!」


そう言って亜美は、トイレに走って行った。


「置いていくわけには行かないだろ……」


カウンターの椅子に腰掛けて、頬杖をついて溜め息を吐いた。


今から外に出て、優を探しても、見付けられるかどうか。


やっぱり、あの日本刀の女の子を探した方が良いかな。