殺戮都市~バベル~

初めて出会うタイプのやつだ。


今までは、相手がどんなに強くても立ち向かおうと思えたけど……今のやつはそうじゃない。


戦っても勝てないと、最初からわかる恐ろしさ。


まさか、恵梨香さんが言っていた、東軍の強い四人の一人か。


だとすると……首に当てられた武器から考えると、短刀の津堂燕飛。


まだ確定したわけじゃないけど、もしそうだとしたら、東軍に来て早々にとんでもないやつに見付かってしまったもんだ。


それでも、俺が行かないと恵梨香さんを助ける事は出来ないんだ。


だったら……行くしかないよな。


「あ、亜美!俺、ちょっと行かなきゃならないんだけど、一人で留守番出来るかな?」


こんな戦いに、亜美を巻き込む事なんて出来ない。


料理屋で大人しくしていてくれたらと思ったけど……亜美は、急に不安そうな表情になって、俺の方に駆けて来たのだ。


ドンッと脚にぶつかるようにしがみついて、首を横に振る。


「やだ!亜美も行く!お兄ちゃんと一緒に行く!」


やっと慣れてくれたのは嬉しいけど……弱ったな。


これから厳しい戦いになりそうだし、亜美を守りながら戦うなんて、容易な事じゃないぞ。