殺戮都市~バベル~

そうやって、東軍の街並みを観察していた時だった。


「!?」


再び感じた、あの強烈な殺気。


どこから発せられているんだと、窓の外に目を向けてみる。


だけど……それがどこから、誰が俺に向けているかが全くわからない。


街灯に照らされて浮かび上がる木々、東軍の中央部に見える、高層ビル。


目立って見えるのはそれくらいで、人影はない。


だとしたら……どんな遠くから殺気を放ってんだよ。


ありえないだろ、俺が確認出来ない所からなんてさ。


もしも……俺に向けて、本当に殺気を放っている奴がいるとしたら……そいつは間違いなくヤバいやつだ。


「亜美がいるってのに……頼むから今は来てくれるなよ」


慣れない東軍で、頼れる仲間もいない。


いるのは、守るべき幼い子供だけ。


でも……恵梨香さんが亜美を見たらどう言うだろう。


連れて行くのはダメだとか言いそうだよな。


それでも、この子を一人にはしておけない。


誰か……亜美の面倒を見てくれる人に預ける事が出来れば良いんだけど。


一番良いのは、あの強い女の子。


一緒にいた男の人は面倒見が良さそうだし、頼るならあの二人だ。