殺戮都市~バベル~

家に帰れる。


その言葉が、亜美を安心させたのか、泣くのが少し治まった。


お、良いぞ。


このまま泣き止んでくれ。


「ほらほら、ご飯食べな。大丈夫……俺が絶対に家に帰してあげるから」


頭を撫でながら弁当を亜美の前に出して、割りばしを渡す。


俺も腹ごしらえしようと弁当の蓋を開け、割りばしを手に取った。


沈黙したまま二人で食事。


半分ほど食べた所で、ようやく亜美が弁当を食べ始めた。


メシを食えば、少しは機嫌が良くなるかな。


それに期待して、俺が食べ終わる頃には、亜美は弁当を食べながら、うつらうつらとし始めていた。


緊張の連続で疲れたのかな。


弁当に顔を埋める前に、亜美の手から割りばしを取って身体を支えて横にした。


座布団を枕替わりに亜美を寝かし付ける。


「ふぅ……大変だな、子供って」


起きたらまた食べるかなと、食べ残しの弁当に蓋をして、窓の外を眺めた。


この街は……建物が低い。


と、言うよりも、自然が多いような気がするな。


南軍や西軍とは違って、木々が街の中に多くある。


これは……ビルの上を移動するのは困難だぞ。


地上を歩いて移動するしかないな。