殺戮都市~バベル~

「どうしてお姉ちゃんの所に戻らないの?お姉ちゃんと一緒にいたい。家に帰りたいよ」


その目には涙が溢れて、今にも泣き出しそうなほどに顔を歪ませている。


……まずい。


子供が泣くのを、どうやってなだめて良いかわからないぞ。


そして泣き出した亜美。


俺はどうする事も出来ずに、亜美に駆け寄って頭を撫でるくらいしか出来なかった。


「ほ、ほら、泣かないで。お、お腹空いてるだろ?まず食べよう、な?」


泣きじゃくる亜美を畳に上げて、買って来た弁当をテーブルの上に広げる。


どうしたもんだろうな……お姉ちゃんは死んでいたし、弓長が余計な事を言ったから、変に亜美が動揺しているじゃないか。


俺が何を言っても、亜美は納得しないんだろうな。


だけど、ずっと嘘を言うわけにも行かないし……どうしたもんだろう。


「……亜美、良いかい?俺は知り合いと一緒に、街の真ん中にある塔に行かなきゃならないんだ。そこに行けば……もしかすると亜美は家に帰れるかもしれないよ」


バベルの塔に何があるかはわからない。


もしかすると、元の世界に帰れるなんて、ないかもしれないけど……その可能性がないとも言い切れない。