殺戮都市~バベル~

「お、お兄ちゃん!」


道の脇から、不安そうに亜美が声を掛ける。


だけど……俺にはそれに応える余裕はない。


「ほらほら、小さな味方が応援してくれてるんだぜ?手くらい振ってやれよ」


「そんな事してたら、あんたはどうせ攻撃して来るんだろ?」


「なんだよ、そんな事考えてたのか?まあ、その通りなんだけどさ」


戦いの……決闘の最中に、よそ見が出来るほど俺は強くないと思うから。


このままやっていても、俺が消耗してしまうだけだ。


回避が上手いこいつにレイピアは、なんて相性が良いんだろう。


そう考えていたけど……一つ、俺の頭の中に思い浮かんだ事があった。


「その脚じゃあ上手く動けないよな。星5レアって言っても、やっぱ弱いやつは弱いんだよ」


もう勝った気でいるけど、油断はしていない感じだ。


斬り込む為に踏み込んでも、よけられて反撃されるのが目に見えている。


だったら……。


もう一度、日本刀を後ろに構えて、俺は工藤の攻撃に意識を集中させた。


狙うは……あれしかない!


「何をやっても無駄だって。弓長の親父がどうなったって俺には関係ないけどさ、決闘してんだ。死ぬまで決闘は続くから悪く思うなよな」