殺戮都市~バベル~

ああ……東軍に入る前に、ガチャを二回してしまったから。


ナイトなんてやつがいるってわかってたら、一回しかしなかったのにな。


俺の指で、ソウルを1個使用しての通常回復を選択した男。


敵なのに俺を助けてくれるなんて、随分変わった人なんだな。


「さて、回復するのが先か、お前が死ぬのが先かって所だな。ここまでボロボロになってたら、助かるかどうかもわからねえからな」


ポケットからタバコを取り出して、俺の目の前で火を点けて煙を吹き出した。


外で戦っている女の子はどうなったのか……そもそもこの人達は誰なのかわからないまま時間が流れて。


少しして、慌てたようにビルの中に女の子が入って来た。


「よ、お疲れさん。どうだった?あのナイトって化け物は」


「……とんでもない強さだよ。速いし硬いし、何より斬ってもすぐに回復する。並の強さじゃ、一撃食らっただけで死ぬと思う」


なんとか顔を女の子の方に向けてみると……ナイト相手に、優位に戦っていたという印象があったこの子でさえ、身体の何ヶ所かに傷を負っていたのだ。


この口ぶりからすると、勝てないと判断して逃げて来たのだろう。


「だそうだ。つまり……一撃で死ななかったお前さんは、並よりも強いって事になるな」