殺戮都市~バベル~

うわっ!は、速いって!!


日本刀をギュッと握り、地面を蹴る足に力を込めて走る。


恵梨香さんとの距離は開いていない。


ズザザザッ!という、地面を滑るような音が背後で聞こえた!


ここからは直線勝負になる!


早く!どこかの建物の中に入らないと!


必死に入る俺と恵梨香さんの背後に、ナイトの足音が迫る。


「くっ!少年!一旦分かれるぞ!落ち合う場所は東軍7ブロックにあるコンビニだ!そこなら人はほとんどいない!」


「わ、わかりました!もしもどっちかが死んでも、来るまで待つって事ですね!?」


「ああ、だが死ぬつもりはないっ!」


苦肉の策……だな。


ここは東軍。


下手に一人で動くよりも、合流するまで待った方が良いって事だ。


例え、今、ここでどちらかが犠牲になっても。


恵梨香さんが戦って勝てない相手なんだから、その手段を取るのは仕方がない事か。


「じゃあ、死なないでくださいよ!」


そう叫んで、俺は左に進路を取った。


ポーン達が追って来ているのが見える。


俺と恵梨香さんが分かれた事で、ナイトが一瞬でも迷ってくれたら、引き離す事が出来るかもしれないけど……。


そんな期待はあっさりと裏切られ、迷う様子もなく、ナイトは俺を追い掛けて来たのだ。