殺戮都市~バベル~

「しかし、一番の問題は、ナイトがいる中央部を越えて、他の軍に行く事が困難という事だな。仲間が集められなければ話にならない」


うーん……確かにそうなんだよなあ。


今から東軍に行こうとしているけど、さっきの小競り合いでさえ、下手すれば死んでいたと思える場面はいくつもあった。


こんな調子で東軍に行けるのかよ……。


「仕方ないですよね。化け物達に気付かれないように南軍の中を通って、東軍に面している光の壁沿いに侵入しましょう。そうすれば、ナイトに追い掛けられる危険性は低くなりますし」


ここから、中央部を突っ切るより全然安全だと思うな。


「うむ……まあ、仕方あるまい。今の私でも、ナイトに勝てるかどうかわからないからな」


俺の提案を、思ったよりもあっさりと飲んだ。


一撃で力量を見る……つまり、あの一撃でその答えを導き出したと言うわけだ。


だとしたら……相当強いぞナイトは。


「……あ、そ、そうだ。恵梨香さん、俺の日本刀が強くなって、ポーンを簡単に斬れたんですけど、これってやっぱりレベルが上がったからですかね?」


この暗い雰囲気をどうにかしようと、強引に話題を変えてみたけど……恵梨香さんは溜め息を吐いて、俺を見ようとしなかった。