殺戮都市~バベル~

「嫌なタイミングだな。ゆっくりする暇もない。ここで食事をしながら、戦闘の事について教えるよ」


そう言って、コンビニ袋からおにぎりを取り出し、俺と明美さんに一つずつ手渡す。


「ごめんね。私達の所持金じゃ、この先の事も考えると、それくらいしか買えなくて」


……そうだ、さっき黒井は弁当を持っていたけど、どこで食べ物を買えば良いんだ?


金も持ってないけど……。


「いえ、ありがとうございます。でも、これはどこで買ったんですか?俺、金を持ってないんですけど……」


おにぎりのフィルムを剥がしながら尋ねると、新崎さんが俺を制するように手を軽く前後に振る。


「まあ、順番に。まずは戦闘だけど、この街では軍対軍の戦闘が不定期に行われるんだ。その前には今みたいにPBMからアナウンスが流れる」


おにぎりにかじり付き、小さく何度も頷く。


「光の壁は、この戦闘の時だけ移動出来るようになるんだけど、所属している軍の時計回りにしか移動は出来ない。ここまではわかるかな?」


「んー……つまり、私達は南軍だから、西軍には行けるけど、東軍には移動出来ない……みたいな?」


明美さんが答えて、新崎さんはにこやかな笑顔で頷いた。