殺戮都市~バベル~

しばらく歩いて、薄汚れた四階建てのビルに到着した。


他に綺麗な高層ビルがあるのに、どうしてわざわざこんなビルを拠点にしているのか。


「うっわ……汚い建物。ここが二人の家なの?」


俺が言わないように黙っていたのに、明美さんが遠慮もなしにそう尋ねる。


「は、はは……ここはね、光の壁からも近いし、中心街からも近いから、便利なんだよ」


痛いところを突かれたと思ったのか、新崎さんが慌てて弁解した。


「なーんて言ってるけど、私達じゃあ、ここに住むのがやっとなのよ。弱いやつに与えられる物なんて、この街にはないわ」


でも、奈央さんはあっさりとそれを否定した。


「ま、まあ良いじゃないか。寝泊り出来る場所があるだけでも幸せだと思わないと。さあ、中に入って食事でも……」


と、新崎さんがそう言った時だった。










『15分後に、戦闘が開始されます。敵軍のキングを破壊してください』










PBMから、そんな音声が流れたのは。


「戦闘?あ、あの……今のって何ですか?」


PBMを取り出して、画面を見ると、カウントダウンの表示がある。


急かすように減り続けるその数字に、俺は少し焦りを覚えた。