殺戮都市~バベル~

そうは……させない!


沼沢の右側に回り込むように、俺は素早く駆け出した。


外灯やたき火の明かりがあるとはいえ、暗いこの場所で、俺が勝つ方法はあれしかない!


当然のように俺の動きに反応して、迎え撃つように向きを変える沼沢。


だけど、鎖分銅を振り回しているから、左腕が付いて来ていないぞ!


その隙を突き、沼沢の懐に飛び込んだ俺は、日本刀を振りかぶらずに、最短距離での斬撃を放った。


しかし、そこは沼沢。


俺が斬撃を放つ前に、鎖分銅を地面に叩き付けて動きを止めると、鎖を巻き付けた腕を日本刀の前に滑り込ませたのだ。


ガキンと金属音が聞こえて、日本刀の斬撃が止められた。


止めて当然だと言わんばかりに、沼沢がニヤリと笑みを浮かべる。











ここだ!


油断したこのタイミングしかない!


追い討ちだとばかりに振り上げた左腕。


それすらも……沼沢は読んでいたようだ。


「その手は食うかよ」


そう呟き、武器の長さを計算して後退した。


スティレットでの一撃を警戒しての行動だろう。


俺の攻撃をギリギリで回避して、拳を打ち込もうとしているに違いない。


それでも振った左腕。


勝利を確信して、鎖を巻き付けた拳を前に出したその瞬間。









ゴンッ!!









辺りに、鈍い音が響いた。