殺戮都市~バベル~

完全回復して、アパートを出た俺達。


沼沢がいる工場へと歩を進めた。


「……言わなくてもわかってると思うけど、沼沢の方が圧倒的に有利だからね。自軍だから回復も早い。真治が勝つ可能性は、一撃必殺しかないよ。まあ、万に一つの可能性もないかもしれないけど」


不機嫌だった雪子さんが、俺を心配してくれているのかアドバイスをくれた。


勝てる可能性が低いのは、最初からわかってる。


油断すれば、すぐにあの分銅にやられてしまうだろう。


俺がどれだけ強くなったか……どれだけ沼沢の想像の上を行けるかにかかっている。


「……緊張してるね?大丈夫。ほら、恵梨香と黒井の戦いを思い出しなよ。恵梨香だって敵軍で戦って、黒井に降参させたんだよ?」


確かにそうなんだけど……あの戦いはハイレベル過ぎて参考にならない。


僅かな手数で戦いは終わる。


それが良く分かる戦いだった。


「やれるだけ……なんて弱気じゃダメですね。少なくとも、奈央さんだけは助けます」


自分を過大評価も、過小評価もしていない正直な想い。


勝てない戦いの中で、どう戦うかを必死に考えるしかなかった。


そして……工場の前。