殺戮都市~バベル~

ソウルを一つ使って回復。


まさか、沼沢と戦うまでにソウルを使う事になるなんて考えもしなかった。


俺達は、まだ完治していない吹雪さんを連れて、沼沢がいる工場の近くまでやって来ていた。


人目につかない、アパートの中に身を潜めて。


「……追っ手は来てないみたいですね。沼沢がいる工場に何人かいるくらいでしょうか?」


「あっそ。別にどうでも良いけど」


あれから、雪子さんの機嫌はすこぶる悪い。


吹雪さんを傷付けたやつを許せないという気持ちが、わからないわけじゃない。


むしろ、俺もそっち側の人間だったはずだ。


そこに相手の気持ちは関係ない。


恨まれようと、憎まれようと、自分の想いの方が大切……と思ったのにな。


自分を捨ててでも、仲間を守る。


二毛の行動で、その大切さに改めて気付いて……。


奈央さんを助ける為に、勝てるかどうかもわからない沼沢に、戦いを挑もうとしている俺と変わらない。


今まで、行動と考えが一致していないような苛立ちがあったけど、なんとなくそれがなくなったような気がする。


強くなければ、大切な人を守れないというのは事実だけど、強くなくたって、大切な人を守ろうとしても良いはずだ。