殺戮都市~バベル~

抵抗する気すら失った様子の城井に、雪子さんが歩み寄る。


勝敗は決した。


色んな偶然が重なったとはいえ、雪子さんのひと振りの間に。


「お、おい……城井を殺すなら俺を殺せ……」


倒れている二毛が……地面に伏せたまま、PBMを取り出して雪子さんに向けていたのだ。


これは……決闘の申し込みか?


そんな状態で決闘をしても、何の抵抗も出来ずに殺されるだけだろうに。


自分で卑怯者だって言ってたのに……仲間の為に死のうとしているのか。


「……あんたには関係のない事なんだけど。決闘なんてしないよ。状況を考えて物を言いな」


PBMをポケットから取り出して、決闘の申し込みを拒否したのだろう。


吐き捨てるように二毛に言い放ち、視線を城井に戻した。


怯える城井。


その光景を見て……俺は日本刀を支えにして立ち上がり、城井に向けられた太刀に近付いて、刃に手を伸ばした。


グッと握った刃。


その行動に驚いた様子の雪子さんと城井。


「真治、今すぐ放しな。私が少しでも力を入れたら、その細い指なんか簡単に落ちるんだよ」


雪子さんにそう言われたけど……俺の中に生まれた、俺なりの答えが、刃を放す事を拒否した。