殺戮都市~バベル~

その視線は俺の背後、路地の方に向けられているようだけど、これは罠だ!


こいつは卑怯だから、俺が振り返った瞬間、攻撃を仕掛けて来るに違いない!


「おいおい、早く誰がどっちを殺すか決めろ!美味しい所を全部持ってかれるぞ!」


「わわっ!もう、じゃんけんで良いんじゃない!?」


……なんだ?急に慌てて。


これも俺を騙す為の罠なのか?


どこまでが演技で、どこからが演技じゃないのかがわからない。


三人で、焦ったようにじゃんけんを始めているけど……何なんだよ一体。


わけがわからないまま日本刀を握り締めて、三人の動きを警戒していると……。










「あー、やっぱり真治だ。吹雪の反応を追って来てみたら……真治も一緒にいたんだね」







背後から聞こえたその声に、俺はようやく二毛の反応は演技ではなかったと気付いて振り返った。


「先に行ってごめんねえ。ほら、助けても良かったんだけどさぁ、私が西軍だから、出来れば西軍のやつらとは戦いたくないんだよねぇ。後処理が面倒だしさ」


タバコを口にくわえて、太刀を肩に担いで俺に近付いたのは……雪子さん。


三人組は、なぜ俺と雪子さんが話をしているのかわからない様子で、慌てふためき始めたのだ。