殺戮都市~バベル~

背後を気にしていなかったわけじゃない。


追っ手はまだ来ていないし、他に誰もいなかった。


はずなのに……。


吹雪さんの身体を、薙刀のような武器が貫いていて……長身の優男が、無表情で柄を握り締めていた。


「だぁれが二対二だなんて言ったんだ?俺達は元々三人組だ、気付けなかったお前達のミスだな」


二毛から視線を逸らした僅かな時間。


それが、大きな隙となってしまった。


慌てて戻した視線。


横から迫る大剣。


俺はそれを回避する事が出来ずに、ギリギリ滑り込ませた日本刀で受け止めたけど、踏ん張れずに弾き飛ばされたのだ。


膝から崩れ落ちそうになっている吹雪さんと接触し、二人して道路の脇へと飛ばされる。


「はっはー!タイムリーヒットってとこか?」


ゴロゴロと地面を転がっている最中に聞こえた二毛の声。


俺は、吹雪さんと共に動きを止めて天を仰いだ。


「ふ、吹雪さん……」


何とか手を伸ばして、無事かどうか確認しようとするけど……吹雪さんはピクリとも動いていなかった。


こ、こんな所で……沼沢でもないやつらに殺されてしまうのかよ。


いや、正直舐めていたのかもしれない。


沼沢以外は雑魚だという、俺の慢心から生まれたミスだ。