殺戮都市~バベル~

ポケットに手を入れて、メンチを切っているような目付きで。


「一人?でも、邪魔をするなら!」


声と共に大きく踏み出し、手に持っていたチャクラムを投げ付けた吹雪さん。


シュンッという、小さな風切り音が聞こえて、一直線に男へと飛んで行く。


だけど、男はポケットに手を入れたまま動こうともしない。


そのままチャクラムの餌食になってしまうか……と、思った時だった。


ガンッと、金属音が辺りに響いたと同時に、チャクラムが男の目の前で弾かれて地面に落ちたのだ。


「!?」


俺も吹雪さんも、その予想だにしなかったチャクラムの動きに、思わず立ち止まった。


「何だ……今の」


「そんなのわからないけど……気を付けて。こいつ、威勢が良いだけの雑魚とは違うよ!」


そんなの、吹雪さんのチャクラムを弾いた時点でわかる事だ。


「あーあ。お前が余計な事するから、警戒しちまったじゃねぇか。どうすんだよこれ」


男が、近くにあったプレハブの方に目を向けると、その上に一人の女性。


手にはボウガンが握られているけど……明美さんが持っていたそれとは、形状が異なる。


この人がチャクラムを撃ち落としたとするなら……星3レアのボウガンとは違う。