殺戮都市~バベル~

「落ち着けよ、奈央。この街に来たばかりの真治君と明美さんには、武器のレアリティの事はまだわからないさ。話すよりも……ほら、丁度良い人がいる」


新崎さんが奈央さんの肩に手を置き、俺と明美さんの視線を誘導するように指差してみせた先には……。









「おうコラ!!肩がぶつかって侘びもなしか!あぁん!?」


「弱ったな……ぶつかって来たのはそっちじゃないか。あーあ、せっかくの食料が」









このビルの前の道路。


一人のいかにも街のチンピラといった様子の男が、優男に絡んでいたのだ。


ぶつかって地面に落としたコンビニ弁当が、無残にも容器から溢れている。


あんまり関わり合いになりたくないような事象だな。


俺なら、悪いけど見て見ぬふりをして、すぐに立ち去るけど。


でも、新崎さんと明美さんは、それをジッと見詰めて微動だにしない。


「何?喧嘩?真治君、あんた男なら止めなさいよ」


そんな無茶苦茶な……。


ポーンに襲われた時に、俺が先に逃げたのを根に持ってるんだろう。


「シッ!ほら、始まるよ」


喧嘩が始まるのか……新崎さんは、道路の二人を見詰めたまま、俺達にそう呟いた。