殺戮都市~バベル~

俺の意見も聞かず、いきなり沼沢に喧嘩を吹っかけた雪子さんに、俺は何も言えずに口をパクパクさせる事しか出来なかった。


「しょ、少年……頑張るしかないね」


姉の暴走を止める事も出来ず、ただ苦笑いを浮かべて、俺を哀れみの目で吹雪さんが見ている。


な、何が頑張れだよ……そりゃあ、奈央さんを助ける為に沼沢と戦うつもりではいたけどさ、いきなり過ぎじゃね?


もっとこう、作戦を考えて、不意打ちというか奇襲というか、方法はいくらでもあっただろうに。


「……やはり吹雪の姉と言うべきか。私達の意見は無視で勝手に話を進めおって」


恵梨香さんがスッとソファから立ち上がり、トンファーを抜いて視線を雪子さんに向ける。


お、文句の一つも言うつもりなんだな?


何も堂々と宣戦布告なんてする事はないよな、うん。


と、恵梨香さんを少し応援していたのに……。













「私は嫌いじゃないぞ。正面から攻めるのは大好きだ」















俺の気持ちも考えずに、グッと親指を立てて、雪子さんに向けたのだ。


「よし、早く行くぞ少年!雪子、案内を頼む」


「お、ノリが良いねえ。私もあんたみたいなやつは嫌いじゃないよ」


……俺の意思は無視かよ。