殺戮都市~バベル~

「で、でも、手を出したかどうかなんてわからないんじゃ……」


「何言ってんの、連絡は入れさせてるからね。その為のPBMだよー?機能はフルに使わなきゃね」


そう言ってポケットからPBMを取り出し、画面を操作してみせる雪子さん。


「自軍にいるから出来る事だな。我々のような他軍の人間は、サーチしか使えないからな」


「そう言う事。ちょっと待ってな……あーあー、里奈ちゃん?聞こえる?」


PBMに向かって話し掛けて、俺達にも聞こえるようにそれを向ける。


こうされると、顔を横に向けて耳を近付けるのはなぜだろう。


ついついやってしまう。


『雪子さん?うん、聞こえるよ。どうしたの?そっちから連絡するなんて珍しい』


声が……明るいな。


人質だから、てっきり薄暗い部屋で、手足を縛られているのかと思ったけど……どうやらそんな雰囲気ではなさそうだ。


「里奈ちゃん、沼沢に伝えな。今から真治がそっちに行くから、止められるもんなら止めてみな!この童貞野郎!!ってね」


『真治君、来たの!?うん、わかった。待ってるからね』


短いやり取りが終わり、ニッと笑いながら雪子さんが俺を見る。


「いやあ、とんでもない宣戦布告しちゃったねえ。ほらほら、早く行った行った。外に出とかないと、屋内戦になっちゃうよ?」