殺戮都市~バベル~

その場にいる誰もが、一斉に俺を見る。


……え?


俺?


いや、そりゃあ奈央さんを助け出す為に来たけどさ、恵梨香さんや吹雪さんがいるからどうにかなりそうだなーって。


もしかして、俺だけで助けに行く流れになってるのか?


「ま、まあ……そのつもりではあるんですけど……」


弱ったな……もしも一人だったら、どうやって沼沢の鎖分銅を攻略するか、まだ考えられてないぞ。


恵梨香さんと吹雪さんと、三人で戦う事しか考えてなかったから、ピンチと言わざるをえない。


「そうじゃないとね!負けっぱなしで引き下がるやつだったら、里奈ちゃんが付いて行った意味がないってもんだよ。うん」


「え?待ってください。里奈さんは自分から沼沢の所に行ったんですか?……な、何の為に」


西軍の事情は知らないけど、里奈さんは雪子さんを裏切ったのか?


「何の為にって。沼沢が奈央ちゃんに手出し出来ないようにさー。少なくとも、真治が次に現れるまではね」


どうして……戦闘中に出会った、敵同士の俺達。


殺す相手であり、助けてもらえるような関係性ではないのに。


「私も里奈も、ポーンから助けてくれた真治君達には感謝してるんだよ?だから、今度は私達が助ける番だよ」