殺戮都市~バベル~

「……このビルです」


そんなに遠くないから、すぐに着く事が出来た。


総力戦の最中だと、周囲を警戒しながら移動したから遠く感じたけど。


何もなくて歩いてみると、全然近い。


「よし、では少年が先に行け。吹雪がこんなに興奮していては……下手すれば誤って攻撃されかねん」


「それ、どういう意味?私は姉ちゃんにあったら飛び付いてー、抱き締めてーって、まあ良いけどさ。面識あるなら少年でもね」


「いきなり飛び付いたら反撃もされようと言っているのだ、まったく」


とりあえず、俺が中に入って戦闘に発展しないようにしろって事で良いのかな?


同じ場所に、賞金首ランキング一桁人が三人も集まるのか……こりゃあ、戦闘に発展したら、俺の命がないぞ。


本気で掛からないと。


気を引き締めてビルに入った俺は、階上を気にしながらあの部屋へと向かった。


黄ばんだ蛍光灯のカバーが、階段の薄暗さを余計に際立たせる。


コツコツという靴の音が、雪子さん達に聞こえていないとは思えなくて。


知り合いに会うはずなのに、いつも以上に警戒して階段を上った。


そして部屋の前。


ソワソワしている吹雪さんの前で、俺はドアをノックした。


「ゆ、雪子さん?いますか?俺です、真治です」


しばらくして……ドアが少し開いた。


でも、出てきたのは……。










隙間から俺の首を狙う、ギラギラとした光を放つ刃だった。