殺戮都市~バベル~

振るった日本刀がポーンの上顎に直撃し、刃が食い込んだ。


しかし、それは途中で止まり、抜く事も振り抜く事も出来ない状態。


この速度を殺したくない!


いや、速度が落ちれば、間違いなく他のポーンに取り囲まれて食い殺される!


一度食われた恐怖が思い出され、瞬間的にそれを回避する手段が頭の中を駆け巡った。


それは、恵梨香さんと戦っていた時の黒井の姿。


日本刀を放し、素早く空間から引き抜いた俺は、二匹のポーンの間をすり抜けながら、その背中に全力の峰打ちを見舞った。


その反動で二匹との距離を大きく空けて、地面に着地した。


「ギャアアアアアアアアッ!」


と、悲鳴のデュエットが聞こえたのは俺が走り出した時。


ポーンを倒すとまでは行かないけど、手くらいの薄い部分なら切断出来た。


少しずつだけど、確実に強くなってる!


確かな感覚に、グッと手を握り締めて二人の後を追う。


でも……。












「ガウッ!ワウワウ!!」


「ガウガウッ!!」









背後から聞こえたポーンの声に、チラリと振り返って見ると……。












仲間を傷付けられて怒ったのか、数え切れないくらいのポーンの群れが、俺に向かって来ていたのだ。