殺戮都市~バベル~

「な、なんだよこれ……」


地面の方を見て……俺はその目を疑った。


俺達人間が街の中を闊歩するように、人型の獣……ポーンが、塔の周りにいたのだ。


どれだけいるのか……ざっと見ても100匹以上はいそうだ。


一匹でも苦戦するっていうのに、こんな数に襲い掛かられたら間違いなく死ぬぞ。


「光の壁を越える事が出来ない通常時、移動手段は一つ。街の中心部であるここを通るんだ」


ここを……って、正気ですか?


ポーンの強さを知っているなら、誰もこの場所に近付こうなんて思わないよな。


近付けば……一斉に襲い掛かられて、一瞬で食われてしまうだろう。


「この街で唯一、ここだけが光の壁に遮られていない場所。自由に各軍を移動出来るメリットがあるけど……生半可な強さじゃ、足を踏み入れた瞬間死ぬ事になるの」


なるほどな……恵梨香さんが、ポーンを一人で倒せるくらい強くなったら……なんて事を言った意味がわかったよ。


塔を目指すと言う事は、必ずここを通る。


塔の周りに建物はなくて、ここから塔までの100メートルくらいは完全な更地。


地上を行くしかないから、ポーンを倒せる実力がなかったら、ここを突破出来ないんだ。