殺戮都市~バベル~

しばらくビルの上を飛び回って、白い塔が視界の半分を占めるくらいまで近付いた時、二人はビルの端で足を止めた。


二人がいるビルに着地した俺は、屋上の端から端までを使って速度を落とし、二人に接近した。


「離した距離は50メートルと言った所か?まあ、それなりにやるようにはなったな」


「ど、どうも……」


やるようになったな、じゃないよ。


俺は離されまいと、必死に追い掛けて息が上がってるのに、この二人は全然平気なんだもんな。


少しは強くなったと自信を持てそうだったのに、自信を無くしてしまうよ。


「またまたぁ。恵梨香の事だから、どうせ少年が私達を見失うくらい引き離そうと思ってたくせに。うりうり」


ニヤニヤと笑いながら吹雪さんが、恵梨香の腕にグリグリと拳を押し付ける。


「ふん。こんな物は序の口だ。総力戦時以外で光の壁を抜けるのは、ここからが本番だからな。見てみろ」


白い塔の根元……地面の方を指差して、俺に見るように促した。


そう言えば……光の壁が街の中心に向かって伸びているなら、塔と接触しているはずだよな?


なのに、塔のどこにも光の壁が触れていない。


不思議に思って、恵梨香さんが指し示した場所を覗き込むと……。